部下を優秀な人材にする教え方講座

部下が優秀だったら・・・そう考えない管理職はおそらくいないでしょう。でも、優秀にする方法がわからない・・・それは、「教え方」を知らないからです。「教え方」は学校では学びません。学んだ方は教育学部でほとんどが学校の先生になります。だから一般企業では「教え方」を学んだ人はほとんどいないのです。さまざまな部下育成法が世の中に出回っているからこそ、オーソドックスだけど着実な手法をブログに書き綴ります。

業務に必要なスキル~テクニカルスキル

管理職の部下育成トレーナーの安部です。
皆さん、部下を育成していますか?
部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

部下を育てる時のスキルはたくさんあります。
その中でも本日はテクニカルスキルについて
お話ししましょう。

 

テクニカルスキルというのは読んで字のごとく
技術的なスキルです。

 

大ざっぱに言えば、業務を遂行するためのスキル群です。

 

業務を遂行するためのスキル群というと、
製造業であれば、製品を作る技術ということです。

 

それ以外にも、私は
会社内で必要な技術・能力をこの中に含んでいます。

 

例えば、工場で使う特殊な機械の操作方法、
会社独自のシステムの使い方、
業界独自の技術などです。

 

会社内、もしくは同じ業種、同じ職種で使われる
スキル群と言ってもよいでしょう。

 

要は、このスキルを身につけると
「一人前」
になるわけです。

 

新入社員はこのスキルを身につけるために
日々努力をするわけです。
先輩社員はこのスキルを身につけさせるために
日々頭を悩ますわけです(笑)

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私はテクニカルスキルを更に2つに分類しています。

 

ひとつは、上記のようなスキル群。

 

もう一つは、より汎用的なスキル群です。

 

例えば、会社が異なっても使うスキル群があります。
それは、パソコンの操作スキルだったり、
電話・FAXなど通常の機器の取り扱いスキル、
事務系全般のスキルがあります。

 

特に事務系のスキルは、
その会社でも必要とされますが、
他の業種でも、あまり大きく変わらず必要とされます。
経理・簿記、労務管理・人事などの事務スキルは
どんな会社でも必要です。

 

だから、事務職だけは
業種が異なっても経験値とみなされます。

 

同様な職種として営業職があります。

 

ただ、営業はやり方が業種によって異なるため、
経験値を認めてくれない場合もあります。
営業職については、別にお話しすることにしましょう。

 

なお、管理職系の管理スキルは、
テクニカルスキルとは言えず、
基本的にはヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルに
分類されます。
そのため、ここでは言及しません。

 

私がこの汎用的スキルについて考えるのは、
私の経験からです。

 

私は結婚を機に一度専業主婦となりました。
それ以前、仕事をしている時は、
FAXが一般的ではなかったのです。

 

10数年たって再就職してから困ったのが、
FAXの取り扱いでした。

 

家庭内にもFAXがなかったので、
触ったこともなかったのです。

 

再就職時にパソコンは講師資格を持つほどでしたが、
FAXが使えないという・・・
周囲が「意外!」と不思議な顔をされたことです。

 

それから、どこへ行ってもFAXは使うので、
FAXの使い方強化を図った記憶があります。

 

そうしているうちにメールが主流となり、
FAXはほとんど使わなくなりました。

 

また、今はネット上でFAXをやり取りしているので、
メール感覚で使えるため、
頑張って覚えたFAXの使い方は必要とされなくなりました(涙)

 

ただ、この汎用的スキルは、
会社にとって強化すべきスキル群ではありません。
(事務系の職種で事務系スキルを除く)

 

そのため、会社がその人材の汎用的スキルを育成するために
費用を出すことはおそらくないでしょう。

 

だって、収益やコスト削減に役立つとは思えないからです。

 

パソコンの扱いに慣れれば多少なりとも残業が減るかもしれません。

 

でも、そのために会社で費用を出して研修を行うとは
とても考えにくいところです。

 

それよりも、
その人個人の労働市場での価値は格段に上がります。

 

汎用的スキルは、個人の労働市場での価値に貢献するのです。

 

以前の職場で、
ITエンジニアを育成する研修を構築していました。
その時に一番就職率が高かったのは、
事務系職種を経験していた年配の女性です。

 

事務系職種を経験していることは、
事務職を求人している企業にとってはありがたい存在です。

 

プラス、ITエンジニアを育成する研修を受講している、
ということはパソコンに詳しいという証明になります。

 

パソコンができる事務職として
企業の目には映るのでしょう。
60代であっても正社員で採用されていました。
リーマンショック後の不況時でも。

 

汎用的スキルは労働市場での価値を高めるのに役立つ、
と私は感じました。

 

だからこそ、
パソコン教室は市場にあり、
社内向けのパソコン教室はありません。

 

汎用的スキルについては、
ここまでとしましょう。
話を元に戻します。
会社で役立つスキル群であるテクニカルスキルですね。

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このスキルを私が強く意識したのは、
10年以上も前のことです。

 

ITエンジニアを育成するという仕事をしていた私は、
ITエンジニアがどんなスキルを必要とするのかを
ずっと模索してきました。

 

ところが、
IT業界は、数カ月単位で新しい技術が生まれます。
1年もすると古い技術となり、
使われていない技術になってしまうこともあります。

 

IT企業向けの研修を提案営業した際、
提案した時から1年ほどたってから
実際の研修を実施した経験があります。

 

提案していた時は、生まれたばかりの新しい技術でしたが、
実施する時は、すでに使われていない技術になっており、
講師がとても苦労していました。

 

研修は提案してから受注するまで3カ月、
予算取りで半年、受講者募集で3カ月、
そうしてようやく実施になります。

 

エンジニアを育成するために技術を教えても
その技術がその後使われ続けるとは限らないのです。

 

下手をすれば折角6カ月かけて育成しても
就職する頃には不要な技術となっている可能性もあります。

 

どんな技術を教えるのか、
ずっと苦心してきました。

 

それよりも技術を学ぶスキルを養成した方が良いんじゃないか、
と、学び方(独学)の研修を構築したこともあります。
受講生には不評でしたが・・・(苦笑)

 

学校で学ぶことに慣れた方々には、
学び方を学ぶことに慣れていなかった、
ということですね(笑)

 

四苦八苦して気がついたことが3つあります。

  1. 技術体系が必要
  2. その技術の後ろ盾となる知識が必要
  3. 技術の理由が必要

 

どんな業種でもそうだと思います。
ひとつの技術だけで成り立つものはありません。

 

製造業でも
繋ぎ合わせる技術だけでは成り立たないです。
切断したり、磨いたりする技術も必要でしょう。

 

IT業界でも
特定のプログラム言語でのプログラミング技術だけでは
成り立ちません。
今だったらネットの知識やクラウドの技術も必要です。

 

それらは技術は、
体系的になっているはずです。

 

ベースとなる技術があり、
その上に構築される技術があります。

 

複雑なものであればあるほど、
それを構築する技術はたくさんあります。

 

サービス業が更に複雑です。

 

相手が人であるが故に、
さまざまな人がいて、
それらの人にサービスをするのですから、
技術は複雑になります。

 

それらの技術を体系化する必要があるのです。

 

そして、その技術を支える知識群が必要です。

 

技術は突然生まれたワケではなく、
そこにニーズがあり、
技術を支える知識があってこそ
生まれるわけです。

 

知識がなくては、
技術を活かすことができません。

 

良く、
「言われた仕事はできるが応用力がない」
といわれる方がいます。

 

こういった方々は、
背景の知識がない場合があります。

 

この知識、
大学の専門分野出身だと身についていることもあり、
専門課程を出ている大学生を企業が求める
原点にもなっているのでしょう。

 

そして、その技術がなぜ生まれたのか、
ということも必要です。

 

必須、というわけではないのですが、
その技術を使って新しいことを生み出すためには
知っていた方が良いことがあります。

 

技術の原点を知ることです。

 

これは書籍を読んでも
ネットで探しても
あまり触れる機会がない知識です。

 

会社の中の古い従業員たちが持っている知識です。

 

こういった方々から話を聞くことが重要なのです。

 

概要的なお話しをしましたので、
次回は、もう少し一つ一つを詳しく
お話ししましょう。

 

それでは、今日はこの辺で。

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