部下を優秀な人材にする教え方講座

部下が優秀だったら・・・そう考えない管理職はおそらくいないでしょう。でも、優秀にする方法がわからない・・・それは、「教え方」を知らないからです。「教え方」は学校では学びません。学んだ方は教育学部でほとんどが学校の先生になります。だから一般企業では「教え方」を学んだ人はほとんどいないのです。さまざまな部下育成法が世の中に出回っているからこそ、オーソドックスだけど着実な手法をブログに書き綴ります。

コツ3:優秀な部下へ変貌させるには

管理職の部下育成トレーナーの安部です。

皆さん、部下を育成していますか?

 

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

今回は部下育成のための5つのポイントの
3つ目のポイントをお話しします。

 

ポイント3

  • やらせること
  • 失敗しても結果は叱ってもプロセスは認めること

 

ぜひ、お読みいただき、
ご自身の部署で役立てていただければ幸いです。

 

今までは、
「できる部下とはどんな人材か」で将来の人材像を作り、
「今眼前の部下はどんな部下か」で現時点での部下の姿を
見つめました。

 

これは、課題解決の手法です。
目標と現実のギャップを埋めることが課題対策には必要です。
そのために、目標を明確にし、現状を明確にする、
これが課題解決のためには必要なのです。

 

ということは、今回が本題である
「優秀な部下の育て方」ということにあたります。

 

さて、優秀な部下に育てるためには……
実は、この部分だけを読んで実行しようとしても
優秀な部下には育ちません。


何しろ、優秀な部下の定義も
現状の把握もできていない状態では、
あなたが考えている優秀な部下には絶対に育ちません。

 

当たり前ですが、
部下は「あなた」ではありません。
あなたの望む人材になることは
はっきり言って不可能です。

 

だからと言って優秀な部下が育たないのか、
というわけではありません。
部下本人の考え方や部下のモチベーションエンジン
(「やる気」の源)を把握し、
一緒に導くことが必須なのです。

1.やってみせ言って聞かせてさせてみて

 

サブタイトルは太平洋戦争時の
海軍元帥の山本五十六が言ったとされている
名言からの抜粋です。

 

当然、直接話を聞いたわけではないのですが、
これは人の育て方の原点かなぁ、
と思える名言だと私は考えています。

 

この続き、ご存知ですか?
「ほめてやらねば、人は動かじ」

 

例えば、仕事のやり方を説明します。
あるいはマニュアルを見せます。

「○○はこうだから、この場合は××してね」

 

失敗すると

「ちゃんと説明したよね?」

 

説明しただけでマニュアルを読んだだけで
できるようになるのであれば、
学校の先生は不要です。

 

「わかる」と「できる」は違うのです。

 

どれくらい違うのかと言えば、
チョモランマと300メートル級の山くらい。

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説明がなければ、
仕事内容の大ざっぱな流れや全体の構造はわかりません。
でも、より具体的な作業内容については、
やっぱりやってみなくてはできないのです。

 

上司や先輩であるあなたは
チョモランマの頂上から部下や後輩を見ています。

 

最初、部下は海岸線にいたのですが、
説明することで、300メートル級の山に登ってきました。

 

でも、まだまだ8,000メートル以上の高さの差があります。
見えている景色も違います。
あなたは遠くまで見えますが、
部下は近くまでしか見えません。

 

やらせてみると当然あなたのようにはできないでしょう。

 

通常、300メートルの山に登るのと
8,000メートルを超える山を登るには
準備が異なります。

 

8,000メートル級の山に登るには
事前に準備がたくさんいりますし、
装備(この場合スキル)もたくさんいります。

 

あなたは今まで時間をかけて
そこまで登ってきたのです。

 

部下がいきなりあなたと同じ山に上ってくるのは
よほどのことがない限りあり得ないでしょう。

 

だからこそ、目の前でやって見せて言って聞かせて
「させてみて」が大事。
目の前でさせてみることで、
どのポイントができないのかが、はっきりします。

 

そのポイントを重点的にできるように
レーニングさせることが大事なのです。

 

こういったことは製造業のライン担当者のような、
今何をやっているのかが
目で見えてわかる職種であれば、
とてもやりやすいでしょう。

 

でも、業種や職種によっては
部下が何をやっているのかが
見えにくいものがあります。

 

例えば、営業職。

 

どの顧客をいつ訪問したのかは
日報で報告があるので概要はつかめます。
でも、どのように商談したのかまではわかりません。
だからといって上司が
ずっとついて回るわけにはいきません。

 

ただ、方法は2つあります。

 

1つ目は、顧客にあなたが直接聞くということ。
顧客とあなたとの関係性が構築できていれば
率直な言葉が返ってくるでしょう。

 

ただ、顧客に聞いても、本当に育成したいポイントを
聞くことは難しいです。
なぜなら、顧客はあなたの部下の育成担当者では
ないからです。

 

2つ目は、
ロールプレイングで営業場面を再現させること。

 

同様の場面を設定したロールプレイングを
社内で実施します。
顧客役を他の社員が担当し、
想定される問いかけや反応をすることで、
それらに対して部下がどのように
反応するのかを確認することができます。

 

上司であるあなたに直接見られていると
普段通りの姿を見せないかもしれませんが、
それでも垣間見ることは可能です。

 

実は、このロールプレイングは
とても良いトレーニング方法だと私は考えています。

 

良く営業職の上司は
「あの顧客は○○タイプだから××のように対処しろ」と
部下に話します。

 

でも、部下にとって○○タイプが
初めて対するタイプであれば、
××のように対処できるかどうかとても不安です。

 

また、経験の浅い営業マンにとっては
様々なタイプにいきなり直面して
失敗してしまうのでは、という不安も
多く抱えています。

 

そこで、事前に経験豊富な上司や先輩が
直面した顧客のタイプを
事前に社内で体験させることが
できるのはとても貴重です。

 

口頭で○○タイプと言われるより、
仮であっても体験した方が
「わかる」から「できる」へ
変貌しやすいでしょう。

 

研修を設計する際、
特に会社内の研修であれば、
「できる」ようになることを
目標にして設計することが重要です。

 

こういったタイプのトレーニングは
研修会社には通常できません。
あなたの会社だからこそできるのです。

 

2.気づかせて見守って認めてみて

 

あなたの部下の中で
もう少し経験を積んだ人たちがいらっしゃるでしょう。
彼らの育成はどうなっていますか?

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新人の育成に手を取られるから
放っているなんてことはありませんか?

 

確かに、上司としての仕事は山のようにあります。
経験を積んでそう失敗をしなくなった
部下まで育成をするのは大変です。

 

また、彼らは新人とは違い
手取り足取り教える必要はありません。
当然ですが。
だからこその教え方があります。

 

「気づかせる」ということです。

 

ここで上司になる時に学ぶコーチングが役立ちます。
コーチングを知らない人でも質問を投げかけると
相手が「ハッ」と何かに気づいた表情をした
経験があるでしょう。
それを行うのです。

 

そのためには2日目、3日目でお話したような
できる部下像を明確にし、
投げかける質問を考えておく必要があります。

 

経験がある部下たちはその経験ゆえ、
自分たちが間違っていないと思っています。
自分の仕事にプライドがあるのです。

 

だからこそ、いきなり頭ごなしで注意しても
聞いてくれません。
むしろ反発されるだけです。

 

状況をちょっと確認したいだけ……
といった雰囲気を出しながら、
質問を重ねることで悩みや迷いが
見えてきます。

 

それに対してアドバイスではなく
どのように対処するつもりか
尋ねてみるのです。

 

人間は問われるとその答えを
反射的に考えてしまいます。
考えることで答えが見つかるのです。
これがコーチングです。

 

完全に対処方法を見失っている場合は
アドバイスを求めてくるでしょう。
そうであれば、アドバイスをしましょう。
その際はちゃんと聞く耳を持ってくれています。

 

まあ、部下の言う対処方法が「微妙……」と
思ってしまうこともあるでしょう。
でも、それが大変なトラブルを引き起こさない
限りさせてみるのも一つの手です。

 

「見守る」のです。

 

見守るのには本当に忍耐が必要です。
心の中では心配でハラハラしています。
それをグッとこらえてひたすら見守るのです。

 

忍耐しかそこには存在しません。

 

実は、子育てをした社員はこの「見守る」のが
上手です。
幼い子どもを育てるのも忍耐が必要なので、
子育てをした社員が
自然と身につけるスキルなのでしょう。

 

そして、部下が自分の思った対処方法で
成功したのであれば、
「認める」のです。
良くやったと。

 

人はほめて育てると言われますが、
ほめるよりは「認める」方が効果があります。
認めるにはほめると違い、
人格ではなくその人のアウトプットを認めます。

 

認められた側は、アウトプットであるがゆえに
素直に受け止めることができるのです。

 

人格をいきなりほめられても
照れくささが先に立ち
素直に受け止められなくても、
仕事が成功した事実を
上司から承認されるのは素直に喜べるでしょう。

 

また、
上司も「ほめる」のが苦手という人もいます。

 

ですが、
仕事上で完遂した事実を「できた!」と
認めるのはそれほどハードルが高くないです。
ですから、ほめるのが苦手と思っている人ほど
「認める」ことをやって欲しいのです。

 

ただ、結果が出せなかった場合もあるでしょう。
それどころか失敗してしまった、
という場合も考えられます。

 

そういった場合の対処方法も
事前に考えておく必要があります。

 

未熟な部下が自分のやり方でやったので
当然、失敗する確率が高いでしょう。

 

その際、結果に対する
「叱り」は必ずするべきです。

 

失敗したことで被った様々な損害。
金銭的なものだけではなく
他のメンバーが失敗の対処をしたこと
お客様にかけた迷惑、
ちゃんと理解させることが重要です。

 

そして、失敗した原因を
必ず突き止め再発防止を行うこと。
これが、失敗から学ぶ「育成法」です。
ここは重要な「気づき」に
つながらせる必要があります。

 

更に、
上司として対処すべきなのが、
失敗した社員に再度挑戦させる
チャンスを与えること。

 

失敗したから二度とさせない
というのはナンセンスです。
失敗したからこそ、
充分に失敗した原因を理解したからこそ
次のチャンスには挑戦させるべきなのです。

 

「あいつはあの時失敗したからダメなヤツだ」
というレッテルは絶対に貼ってはいけません。

 

上司といえども
あなたもサラリーマンであり、
更に上の上司から評価される立場にあるので
失敗を重ねることは
とても心配になると思います。

 

ですが、
そこは十分に対策を講じながら
慎重に行っていくことで防ぐことができます。

 

失敗した次に成功をした部下は
必ず想定以上に成長します。
そして、
必ずあなたの大切な右腕となって
活躍してくれるでしょう。

 

3.性格は変えられるのか

 

ここまで、部下の知識や技術の向上に
ついて話をしてきました。
これからは「態度」についてお話しします。

 

例えば、遅刻の常習犯である部下。

 

「性格がずぼらだから遅刻をするんだ!
ずぼらな性格をどうにかしろ!」
と言っても、
どうにもならなかったという
経験はありませんか?

 

ずぼらな性格だから諦めていませんか?

 

暗い性格の営業マン。

雑な性格の経理担当者。

片づけできない性格の在庫管理担当者。

態度の悪いIT担当者(笑)。

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性格がそもそも
この仕事に向いていないんだ
ということになっていませんか?
性格だから無理ということになっていませんか?

 

本当に無理なのでしょうか?

本当に性格は変えられないのでしょうか?

 

世の中には話下手な営業マンが
優秀な成績を収めたという話が
たくさん転がっています。

 

性格には長所と短所があります。
実は、長所に対して視点を変えると
短所になります。
短所に対して視点を変えると長所になります。
これは経験則でわかっています。

 

暗い性格の人はマジメである、
コツコツ仕事に取り組む
といったことが往々にしてあります。

 

暗くてもマジメさをアピールして
顧客に信頼され、
営業成績を伸ばすことだってあるのです。

 

だからこそ、
性格は視点を変えると変えられます。

 

また、性格自体、
たくさんの経験を積むことで
徐々に変化することもあり得ます。

 

若い頃は人見知りが強かったが、
年齢を経ていくうちに見知らぬ人でも
話せるようになったという方も多いです。

 

経験上、見知らぬ人でも話すきっかけ作りが
上手になっていき
会話ができるスキルが身についたからです。

 

性格がその業務を行う上で
好ましくないと思っていては
先に進みません。

 

その性格だからこそその業務を
ワンランクアップして行えるようにするために
どんなスキルを身につけさせるのか
と考えるようにするのです。

 

私の経験を話せば、
雑な事務担当者に別の雑な事務担当者を
ペアにしました。

 

雑レベルや雑さ加減が異なる二人だったことから
お互いにチェックしあうことで
事務的ミスが大幅に削減されたのです。

 

しかも、それぞれの業務を共有したことで
作業の効率化も図れるようになりました。

 

性格を直すのは可能です。
その性格に対する視点を変えて
活用できないかと考えることが重要なのです。

 

そして、活用するために
必要なスキルを身につけさせるのです。

 

それでは、今日はこの辺で。

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コツ2:今眼前の部下はどんな部下か

管理職の部下育成トレーナーの安部です。

皆さん、部下を育成していますか?

 

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

今回は部下育成のための5つのポイントの

2つ目のポイントをお話しします。

 

ポイント2

部下のモチベーションの源泉を知り

足りないスキルに気づかせること

 

ぜひ、お読みいただき、

ご自身の部署で役立てていただければ幸いです。

 

 

前回はできる部下に

どんなスキルがあれば良いのか

についてお話しました。

 

本日は眼前にいる部下はどんな部下なのか、

ということについてお話します。

 

課題解決で良く言われる

現状と理想のギャップが課題である

ということから 

本日は「部下の現状の分析」です。

 

1.どんなスキルが足りていないのか

 

あなたの中にある「できる部下」が持つスキル群を記述した後だと

今、目の前で仕事をしている部下のスキルのなさが

目についてしまうかもしれません。

 

が、そこはグッと冷静に観察する必要があります。

 

私には昔、こんな苦い経験をしました。

 

私の昔の部下の話です。

 

私には理想とする部下像がありました。

 

ただ、その当時の部下はその理想とする部下像から大きくかけ離れていました。

特に業務で一番にマスターして欲しい部分が本当にできないのです。

 

いろんな方法を取って教えましたし、何度も何度も注意しました。

 

その方に業務を任せる時は心配で落ち着かず、

「チェックするから後で必ず見せて」

ということにしていました。

 

ただ、私自身も別の業務を抱えており、

その部下一人のためにさける時間は限られていました。

 

だからこそ、常にイライラした状態で、その部下に対して

「できていない」を連発していたのです。

 

ところが、そんなある日。

他の部署の同僚から

「○○さん、××のスキル、すごいね」

と言われたのです。

 

その時、私はハッと気づかされました。

 

私もその部下が指摘されたスキルは、

とても素晴らしいと常々思っていました。

 

特に××のスキルはずば抜けており、

社内でトップレベルを持っていたと私は思っています。

 

でも、私はずっと××のスキルではなく異なる部分で、

この部下に注意し続けていたのです。

 

部下の〇〇にとって本来××ができれば社内外では十分だったのに、

他の部分がダメだと指摘し続けてきたのです。

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人間ですから、

必ず良いところと悪いところがあります。

 

部下のスキルを検証する時、

どうしても「できない」部分に目が行きます。

 

スキル一覧を目にしながら

「あー、あいつは○○ができてない。

××もできてないな。

そういえば、△△もまだまだ。

あ、□□だって……」

 

そして、結局、

「ウチの部下どもは何にもできてないじゃん!」

ということになります。

 

本当にそうでしょうか?

 

あなたが一覧にしたスキルの方が

いらないスキルなのでは?

 

先ほどの事例には後日談があります。

 

「できない部下」と思っていた部下が

どうしてもできなかった業務を

他の人に手伝ってもらうようにしたのです。

 

すると

その部下は自分の実力を最大限に発揮できる

スキルのみに集中することができ

生産性がグンと上ったのです。

 

重要なことなので、

もう一度言います。

 

得意なスキルに集中させる環境を与えただけで

生産性がグンと上ったのです。

 

これはどういうことでしょうか。

 

その部下は、自分の得意なスキルに対して

自信がありました。

 

苦手な業務から解放され、

自分の責任が軽くなったこと。

 

それを上司である私が承認したこと。

 

これらはその部下の

モチベーションを高めたのです。

 

人にはモチベーションを高める

ポイントがあります。

 

そのポイントを把握することで

育成効果をアップさせることができます。

 

効果を上げるためにも

部下のモチベーションを高めるポイントを

把握しておくことが先決です。

 

別に部下をおだてるわけではありません。

 

今までの業務の中で

部下が夢中で業務に取り組んだ場面を

思い出し、

 

夢中になった要因をつかむのです。

 

人はモチベーションを高めるポイントを

必ず持っています。

 

人から褒められたり認められたりすると

俄然はり切る人。

 

コツコツ努力して成果が出ると

満足げになる人。

 

人に感謝されると

嬉しい表情をする人。

 

親しい仲間と一緒に頑張ることが

とても楽しい人。

 

こんな風景を思い出しながら

目の前の部下が

どんな時に頑張っていたか、

 

その時、どんなきっかけがあったのか

をつかんでいきます。

 

ちなみに私の部下は、

ほめられると非常にはり切るタイプでした。

 

2.研修すれば良いというのは神話でしかない

 

部下のスキルが足りない。

 

上司であるあなたはそう思っているかもしれません。

 

スキルが足りなければ

対策として何らかの研修を行うことです。

 

研修をすると何らかのスキルは身につきます。

 

しかし、

お気づきだと思いますが、

研修の内容には3つの種類があります。

 

一つは、「知識」。

 

業務を遂行するために必要な知識や

汎用的な技能(メールの出し方や

報告・相談・連絡などの行い方など)

を身につけます。

 

二つ目は、「技術」。

 

例えば、金属加工であれば「研磨」など

他の業種ではあまり使われていない技能を含め

多種多様な技術があります。

 

それらを習得し、

会社内での業務がこなせるようになるための

技術の習得です。

 

これらはお判りだと思いますが、

知識と異なり、

習得に時間がかかります。

 

三つ目は、「態度」。

 

先輩の話を素直に聞く、

お客様には笑顔で対応する、

始業時間に遅刻しない、

マジメに業務の取り組む(サボらない)、

 

といった社会人として必要な

振舞いを中心とした態度です。

 

このあたりは、「性格」と関係するため、

非常に習得が難しいものでもあります。

 

でも、営業マンが外回りの時に

サボってばかりだと困ります。

 

会社の人材育成とは異なりますが、

家庭内の子育ての、

ほとんどがこの「態度」です。

 

だからといって「態度」の習得は家庭で、

と言っても、

 

すでにあなたの目の前の部下は

社会人であり、

通常保護者の庇護からは外れています。

 

それに、

あなたが担当する「態度」は

社会人として必要な部分であるため、

あなたの会社が育てる必要があります。

 

以前、こんな相談を受けたことがあります。

 

「報告はちゃんとしてくるんだよねぇ。

でも、報告のタイミングが

どっかずれているんだ」

 

上司が少し気になっている案件で

進捗具合を聞きたい時には

「問題はありません」

と返事をし、

 

問題がどうしようもなくなってから

「報告です」

と言ってくる部下。

 

報告することはできているので、

これは「知識」でも「技術」でもなく

「態度」なのです。

 

報告するタイミングをわからせたい、

ということなのです。

 

さて、どのようにすれば良いでしょうか。

 

部下のレベルにもよりますが、

一つ、ヒントとして、

上司が報告して欲しいと思うタイミングは

いつなのでしょうか、

ということです。

 

そのタイミングを部下が知っているかどうか、

ということ。

 

案件をその部下に任せる時、

こう言っていませんか?

「何かあったら報告しろ」

と。

 

だから、何かあった時しか報告しないのです。

 

部下にすべて任せるには少し不安な時、

報告させる時期を明確化させておくのです。

 

例えば、

「何もなくても○日後の朝一番に

状況を定期報告しろ」

と。

 

 

態度は

こうやって徐々にトレーニングしていき、

身につけさせていきます。

 

そして、何も言わなくても

「定期報告」してくれるようになります。

 

定期報告がウザイと思うほど

部下が成長してきたのであれば、

定期報告の期間を徐々に

伸ばしていくのです。

 

その時には、

「判断に少しでも悩むことがあれば、

報告しろ」

と。

 

間違いのもとは判断ミスであることが多いので、

報告のタイミングをずらしても大丈夫と判断できた

部下には、不定期にする際、

判断するタイミングで報告させるようにするのです。

 

態度は、

このように何度も何度も繰り返して

できるようにしていくのです。

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そして、

態度に関して言えば、

本人の「気づき」がないと

変化しません。

 

好ましくない態度を好ましい態度に

変容させるためには、

態度を行う本人が

「今のままではダメだ」

ということに気づくことが第一歩です。

 

そうでなければ、

どんなに回りが教えても

身につきません。

 

周りの言葉は

その本人とって

すべて「他人ごと」なのです。

 

「自分ごと」

にしなければ、動かないのです。

 

だから、部下本人には

上司であるあなたが

「今のままでは困るから、

○○できるようになってほしい」

と伝える必要があります。

 

そのために、

昨日のスキル一覧が役立つのです。

○○の部分がスキル一覧から

抜き出してきます。

 

3.人間は自分が一番わからない

 

少し話は変わりますが、

研修に携わるようになって20年。

さまざまな受講者の方と話をする

機会がありました。

 

研修を行う前に

良くと言っていいほど

尋ねられる質問があります。

 

「私に○○ができるようになりますか?」

 

私は、いつも回答に詰まります。

 

その方を数十年知った人間であっても、

生まれてからずっとその方を

○○ができるようになるのかを

観察し続けてきているわけではないので、

 

できるかどうかは(私には)わからない

 

というのが回答なのです。

 

現実は、もっと丁寧な言葉で

回答することをお断りしますが、

 

本当に同様の質問が多いのです。

 

それだけ、

自分のことがわからない人が

たくさんいるんだろうなぁ、

と思っています。

 

自分のことを知りたい、

と思う人も含めて。

 

あなたの目の前にいる部下の方は

どうでしょうか?

 

自分のことが

良くわかっていると思いますか?

 

自分のことが良くわかれば、

会社のため

部署のため、

ひいては自分自身のためにも

自己啓発を始めるでしょう。

 

でも、

人はどうしても

自分の「できていない」ところを

見つけるのが苦手です。

 

また、

「自分ができる」ところも

見つけられない人も多くいます。

 

本当の意味で

自分自身を成長させるには

どうしても他人の力が必要なのです。

 

「根性で何とかしろ」

 

と言われても

自分一人ではどうしようもないのです。

 

だからこそ、

上司と部下で

あるいは、

先輩と後輩で、

 

そして、可能なら

チーム全体で、

 

できていること

できていないこと

これからできるようになって欲しいこと

 

こういったことを確認しあうことが

大事なのです。

 

そうすることが

人材育成の2番目のステップなのです。

 

それでは、今日はこの辺で。

コツ1:できる部下とはどんな人材か

管理職の部下育成トレーナーの安部です。皆さん、部下を育成していますか?

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

本日から部下育成のための5つのポイント、ということで、

1つ目のポイントをお話しします。

 

ポイント1

スキルには種類がある。

現在の業務を完遂させるためのスキルを

明確にしておく必要がある

 

ぜひ、お読みいただき、ご自身の部署で役立てていただければ幸いです。

  

1.研修で良く言われる「できる人材にしてほしい」とは

 

「研修」を仕事にしてから20年近く経ちました。

 

研修のご依頼を受けることが商売なので、

本当にたくさんの研修を実施してきました。

 

必ず研修を実施する前に

 

どんな研修をしたいのか

結果(ゴール)は何か

そもそも研修をしようと考えた目的は何か

 

といったことをヒアリングします。

 

その際に

「できる人材にしてほしい」

と言われることがあります。

 

「どんな人材にしたいですか?」

とある社長にお聞きしたことがあります。

 

社長の答えがこうでした。

 

・若くて(性格が)明るく、会話ができる

・元気で健康

 

・素直で人の話を聞く

・言われたことをきちんと(最後まで)やる

 

・積極的に仕事に取り組む

・自分の意見は積極的に言う

・上司に物おじせずにモノが言える

 

ん? 素直で人の話を聞く人間が上司にモノが言えるでしょうか?

 

・自分で仕事の管理ができる

・与えられた仕事の効率化が図れる

 

・場の雰囲気を読んで、静かにできる

・不必要な場面では会話をしない

 

ん? 元気で明るい人は基本的にある程度ウルサイ場合が多いです。

 

・経営的視点を持っている

・利益確保を最優先として…

 

若い人で経営的視点を持っている人がどれだけいると考えているのでしょうか。

 

これ全部を持ち合わせている人は、きっと

「スーパーマン

と呼ばれています。

 

そして、通常、大企業に採用されており、一般の労働市場に出てくることはありません。

 

中途の転職希望者にもまれに現れることがあっても、地方の中小企業が採用できる確率はきっとかなり低いでしょう。

 

こんな人を探すヒマがあるならば今いる従業員を成長させた方が、確率はもっと上がります。

 

ところが、今の従業員に対して価値を見出せない経営者がたまにいます。

 

たまに……と思いたい(笑)

 

でも、人は成長します。よほどのことがない限り。

 

あいつは成長しないよなぁ……と思える人に心当たりがある方。

 

それは誤解です。

 

その方は成長しないのではなく本人も周りも「成長しない」と思い込んでいるにすぎません。

 

大事なことなのでもう一度言います。

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人は成長します。

 

そして、そう信じることから研修は始まります。

 

まず、このブログを読まれているあなたに問います。

 

あなたは部下にどんな人材が欲しいですか?

 

書き出してみてください。箇条書きで構いません。

 

そして、それを見直してみてください。

 

スーパーマンになっていないかを。

 

その中で、どうしても必要だと思われる項目が理想の部下像です。

 

2.職場で必要とされるスキルとは

 

一般的な職場で必要とされるスキルは、20世紀にハーバード大学のカッツ教授という人がまとめています。

 

1.テクニカルスキル

2.ヒューマンスキル

3.コンセプチュアルスキル

 

テクニカルスキルというのは、「技術」ですね。

 

その業務を行うにあたっての「知識」や「技術」にあたります。

 

例えば、製造業であれば金属を削る技術、設計する知識や技術です。

 

銀行業であれば、お札を数える技術、簿記や会計の知識といったことがあげられます。

 

他にも、どんな業種にもあてはまる、お客様に対応する際のマナー、電話での受け答え、基本的なパソコンの使い方、といったことがあります。

 

前の例は専門的知識・技術・技能であり、後の例は汎用的知識・技術・技能です。

 

私のような研修を生業とする者には、専門的知識・技術・技能の研修は、特定の分野に限られます。

 

それは自分が経験したことのある分野です。

 

当然ですよね。

 

経験したことがないことを教えるのは、机上論に過ぎない場合が多く、実際の技術になればなるほど、教えられるのは「同じ会社の上司や先輩」のみです。

 

ここは十分に踏まえていただきたいと思います。

 

だから、教える技術が必要になります。

 

2.のヒューマンスキルは研修専門業者が得意とする分野です。

 

このスキルは、コミュニケーションを中心としたスキル群です。

 

コミュニケーションといっても守備範囲がとても広いです。ですから、いくつか細かく分かれます。

 

人前で話すプレゼンテーション

会議を主導するファシリテーション

交渉のネゴシエーション

人の話を聞く傾聴やカウンセリング

感情的にならずに想いを伝えるアサーション

 

思いつくだけでもたくさん出てきます。

 

ヒューマンスキルは対人関係のスキル群なのです。

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私は個人的に、この中にリーダーシップも含まれると考えています。

 

リーダーシップはリーダーだけが持つスキルではありません。

 

リーダーシップを部下の立場の人間が持つとそれはフォロワーシップと呼ばれます。

 

目的のために周りの人たちと一緒に業務を遂行していく力をリーダーシップというのであれば、目的のためにリーダーや周りの人たちと協力しながら業務を遂行していくのがフォロワーシップです。

 

リーダーシップと何ら構造に違いはありません。

 

だからこそ、若い人であってもリーダーシップは身につける必要があるのです。

 

社内の幹部候補生になったからリーダーシップを学ばせるのは遅いのです。

 

最後の3.コンセプチュアルスキルです。

 

人事関係者でなければあまり聞きなれない言葉だと思います。

 

具体的には、ロジカルシンキングクリティカルシンキング、俯瞰してみる力、多面的な視野、などあらゆる事象の中から課題を見つける力であり、そのような課題は通常正解がないため、正解のない課題に論理的に向き合い、社内で納得できる解答を導き出す力であり、周囲に対して導き出した解答を明確なビジョンとして表現できる力です。

 

要は、ものすごい経営者が持っていそうなスキルということです。

 

こんなスキル、部下に必要?と思われるでしょう。

 

比較的若い段階で頭角を現す人材は子どもの頃からこのスキルが鍛えられているとも言われています。

 

でも、このスキルはある程度業務経験を持った人材でなければ、習得が難しいものでもあります。

 

カッツ教授もコンセプチュアルスキルはミドルからトップマネジメントレベルの方々が身につける方が良いとしております。

 

ただ、さまざまな課題が発生する会社の現場でもこのスキルを持つ人材がいれば、スムーズに業務が回っていくでしょう。

 

できれば、主任や係長クラスから徐々に関心を持ち身につけられるようトレーニングを開始していくと課長や部長となった時点ですぐに発揮できると考えています。

 

ピーターの法則という社会学の法則があります。

 

能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する

 

つまり、課長で優秀であっても部長レベルの能力がない人も部長までは出世することになるということ。

 

そのために、

「時間がたてば、あらゆる階層には無能者だけが占めることになる。そして、その組織の仕事は出世の余裕がある無能レベルに達していない人によって遂行される」

という内容の法則です。

 

結構シビアな内容です。

 

良く名選手は名監督になれないと言われます。

 

現場と管理職では使われるスキルが異なるからだと私は考えています。

 

課長クラスでの使われるスキルと部長クラスで使われるスキル。

 

コンセプチュアルスキルの度合いが大きく異なるのです。

 

それまでテクニカルスキルとヒューマンスキルで何とかなっていた課長も、部長となればコンセプチュアルスキルが必要となってきます。

 

コンセプチュアルスキルは管理だけではなく経営する力を伸ばしていくために必要なスキルです。

 

課長は自分の配下である課の業務がスムーズに回ることに注力します。

 

ですが、部長は、自分の部の業務が回ることだけではなく、部の業務の方向性や将来像、顧客の創造など非常に抽象的なことを考える必要が出てきます。

 

そんな抽象的な考えを課長以下に伝えるためには具体化できる力が必要になります。

 

コンセプチュアルスキルの度合いが大きく異なるのを納得いただけると思います。

 

当然ながらこのスキル、一朝一夕で身につくものではありません。

 

だからこそある程度の時間を置いたトレーニングが必要なのです。

 

また、どんな人材でも身につくスキルである、と考えられていますが、得意・不得意は

他のスキルよりもどうしても強く出がちです。

 

人によってはコンセプチュアルスキルがどうしても合わない方も出てきます。

 

そういった方々はテクニカルスキルを極めるようなキャリアの道を作る必要があります。

 

出世コースではないのですが、エキスパートのコースですね。

 

最近では、プロスポーツの選手でも年齢的に厳しいと感じられても現役を続けていく人がかなり増えてきました。

 

いわゆるエキスパートのキャリアです。

 

プロスポーツは「体力」というどうしても超えられない壁があると私は思っていますが、実際の会社の現場では「体力」はそこまで要求されないのである程度の年齢になっても現場で頑張ることは可能だと考えています。

 

ドラマで良く出てくる「いぶし銀の刑事さん」のようなタイプです。

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「経験」からくる「勘」は業務遂行のためにはとても重要なリソースです。

 

そして、私は3つのスキル群にあわせて「教える力」をあらゆる人に身につけて欲しいと考えています。

 

管理職にならずに技術部門のエキスパートになったとしても、その人がある年齢に達すれば、あるいは病気やケガで動けなくなってしまえば、企業の技術力が落ちてしまうからです。

 

「自分の技術を教える力」

 

このメールセミナーの根底に流れるテーマです。

 

自分が学ぶよりも人に教える方がとても難しいです。

 

ですが、「人に教えると、そのことについて深い理解が得られる」と良く言われます。

 

これ、何故だかわかりますか?

 

人に教えるためには知識や技能の体系化を行います。

 

この体系化の作業が学習を行う上でとても大切な要素なのです。

 

今、自分はどの地点で、今後どのような技術を学ぶことが必要なのか、ということが明確にわかります。

 

要は、知らないところを歩く時の地図のようなものです。

 

地図があれば、(よほど地図が読めない人でもカーナビがあれば)目的地にたどり着けます。

 

これが知識や技能の体系化なのです。

 

この体系化を補助するために3つのスキル群をお伝えしました。

 

教えることはまず、「教える内容を明確化する」ことから始まるのです。

 

3.あなたの部署で必要とされるスキルは何か

 

前項でスキル群について話してきました。

 

さて、あなたの部署で必要とされるスキルは何でしょうか?

 

理想とする部下像を作り、その理想とする部下像を構成するスキル群を見つける作業です。

 

「教える」という作業にはこのゴールを明確にするという作業が必要だとお伝えしました。

 

ただ闇雲に教えても今日教えたことと昨日教えたことが相反することになったという事態を引き起こします。

 

鳥瞰的に見れば相反することではなくても俯瞰的に見ると相反することがあります。

 

例えば。

 

メモを書いてみせると「字が汚いからパソコンで書け」と言われたとします。

 

パソコンで文章を書くと今度は「心が伝わらないから直筆で」と言われました。

 

部下の立場からすると「?」です。

 

でも、上司の立場からすると、「自分宛のメモは、情報をきちんと伝えるためにもパソコンで早く打って渡せ」、「お客様宛の手紙は感情を込めて手書きしろ」ということなのです。

 

つまり、鳥の目で見れば全体が見渡せるので、最終的には○○になる、ということがわかります。

 

でも、アリの目で見ると何故矛盾することを言われるのだろう、と不安になります。

 

上司や先輩であるあなたは鳥の目です。

 

でも、部下や後輩はアリの目なのです。

 

不安を抱かせたら部下や後輩の教えられる側は本当に理解することができません。

 

そのためにも、どんな人材になって欲しいのかこれを明確にする必要があります。

 

そして、できれば、「いつまでに」こんな人材になってほしいと言えるようになって欲しいのです。

 

報告やメモは素早くパソコンで打てるようになって欲しい。

 

お客様に想いを届けるために丁寧に字が書けるようになって欲しい。

 

こう伝えることが重要なのです。

 

だからといって新卒で入社したばかりの社員に「社長になれ」というのはあまりにもゴールが遠すぎて理解できません。

 

逆に弊害も起きてしまいます。

 

何の努力もなく一足飛びになれそうな誤解を育んでしまう可能性があるのです。

 

なので、ゴールと言っても言われた方が理解できるレベルでのゴールを指し示すのです。

 

ああ、自分は近い将来、こんな感じになるのか。

 

そう実感できるように。

 

だからこそ、身近な上司や先輩は若い社員のゴールになりやすいのです。

 

意外と若い社員は職場のいろんな人を見ています。

 

飲み会で上司や先輩の愚痴を言うのもちゃんと観察しているからです。

 

そして、将来の自分と重ねるのです。

 

あんな風に自分はなるのか?と。

 

そこに「憧れ」があれば、その若手社員は会社を辞めません。

 

でもそこに「諦め」しかなければ、いずれその若手社員は辞めていくでしょう。

 

若手社員が見ているのは、自分のゴールなのです。

 

だけど、ゴールを示す際に気をつける点は、同じ人間は社内に2人いらないということです。

 

上司や先輩そっくりになってもダメなのです。

 

上司や先輩の良いところはもちろん身につける、それだけではなく、自分の良いところは伸ばす、悪いところは修正する、そうやった結果、どのようなゴールなのかが描けるように指示するのです。

 

これが意外と難しいのです。

 

でも、上司や先輩になったらやらなければなりません。

 

これが人材育成の最初のステップなのです。

 

それでは、今日はこの辺で。

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部下育成の5つのコツ

管理職の部下育成トレーナーの安部です。皆さん、部下を育成していますか?

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

本日から7回にわたり、部下育成の5つのコツと題してお話ししていきます。

 

このブログをお読みいただいている方は、すでに部下をお持ちの方、もしくは部下をこれから持つことになっている方と想定しています。部下育成をせざるを得ない方々です。

 

とにかく、あなたには一緒に働く人がいて、その方はあなたより経験が浅い、実力がない、ということであなたはその方に対して指示をする立場であるということですよね。

 

1.中小企業にはなかなか求人応募が来ない

 

現在(2018年)はとても人手不足と言われています。

 

求人倍率が高止まりのままです。こういう時は求人に応募が来ません。

 

日本の事業所の約99パーセントの企業が中小企業です。新卒採用の現場では、残り1パーセントの大企業に応募が集中し、ほとんどの中小企業には新卒の応募者が来ないというのが平常化しています。

 

現場は「人を増やして欲しい!」と叫んでいるのに、人事部からは「しばらくこのままで・・・」と言われるだけ。

 

「しばらく」はいつまででしょうか。

 

人事部だって必死に人集めをしています。でも、人がいないのです。

 

リーマンショック後のハローワークに行ったことがあります。

人・人・人・・・

受付の前には長い行列。職探しのためのパソコンは常に満席状態。

 

その時は3名ほど採用したいと求人票を出しに行ったのです。応募者は予想をはるかに超える25名。最初は全員面接をする予定でしたが、時間がなく、書類審査で半分にするしかありませんでした。

 

でも、最近のハローワークはガランとしています。

いるのはハローワークの職員だけ。こんな状況ですから、応募が来ないのも納得できます。

 

ただ、人手不足は深刻です。

 

私が行っているセミナーのアンケートで、希望するセミナー内容を取っているのですが、応募者が来る求人票の書き方セミナーを希望される方が増えています。

 

人手不足だと、当然一人の仕事の量が多く、残業が多々発生します。慢性的な残業が続く状況なのです。

 

働き方改革なんて国は言っているけど、目の前の現実は残業・残業・残業・・・

 

いつも忙しくて気がつくと外は真っ暗になっているのが当たり前。盛夏くらいは日があるうちに会社を出たいと考えてはいるけれど、会社を出る時はいつも真っ暗。

 

終電ギリギリまで仕事をして終わらなければ持ち帰りそれでも終わらない。

 

そうしているウチに、体調を崩して休職することになってしまう仕事ができる部下。

 

若い部下は他の会社の方が給料、高いんで~~と言いながら転職する。

 

増えていく仕事、減っていく人材

 

減った人材分、また、増えていく仕事

 

最悪のスパイラルが巻き起こります。

 

この悪循環を断ち切るのは残った人材が、1.2倍、作業効率を上げること。これしかありません。

 

しかも、楽しく、生き生きと。

 

そんなことができるのなら、すぐにやりたいよ。

でも、面倒なことならやらないよ。

 

これが、今のあなたの本音でしょう。

 

それは可能です。実際にそうなった企業さまはいらっしゃいます。

 

ただ、ちょっとだけ、考える時間を作ってください。

 

何を考えるのか、ということが、これからの核心です。

 

考えて行動する、これをしていただくことで部下育成の効果が出て、あなたの部下の作業効率は1.2倍となります。

 

効果は「明日出る」というほど急激には出ませんが、それでも最短で3カ月ほどで変化が始まります。

 

2.部下育成のメリット

 

さて、今いるメンバーでこの人手不足時代を何とか切り抜けるしかないのですが・・・今いるメンバーの顔ぶれを思い浮かべて、はあああっとため息をついたのでは?

 

そのため息、こんな想いではないですか?

 

「あんな奴、育てても育たないよなぁ」

「育てる時間なんて全くないよ~」

「育てるなんか面倒だ~」

「手間をかけて育てても辞めていくからな~」

 

部下育成は、手間かもしれませんが、大変なメリットがあります。

 

部下を育成すれば、業績がその分アップしていきます。

 

優秀な部下がたくさんいれば、その部署の業績は右肩上がりを続けられます。

 

部下があなたのように働くようになれば、今の2倍の労働力になるのですから、当然ですよね。

 

部下育成は業績が上がるというメリットがあります。

 

例えば・・・

 

大口顧客の契約を何のトラブルもなく獲得した

 

お客様からの口コミが2倍増で注文が殺到した

 

欠陥品率が今までの8割になり、作業の手戻り率もドンと下がった

 

事務のミスが2割減り、書類の再送回数が減った

 

などなど。

 

前半の例は売上増で、後半の例はコストダウンです。

 

部署によっては、担当する業務が異なりますので、両方の例を取り上げてみました。

 

でも、こうなりたいと思いますよね。

 

3.一人の生産効率を1.2倍にする方法

 

何といっても部下を育成するのが一番です。

 

ただ、どうやって育成するのか、それが問題なのです。

 

私自身、人材育成に関わった最初が、最初に入社した会社でOJTの教える側になった時。もうかれこれ30年前になります。

 

「どうやって教えればいいんですか?」

という私の質問に、当時の上司は

「今までやったことを教えればいいんだよ」

と答えました。

 

確かに今までやったことは教えます。

でも、「人に教える」ということは、そんな簡単じゃないと私はその時思いました。

 

言葉で言ってわかれば、教える人は不要です。本やマニュアルを渡して「読んで」と言えばすみます。

 

でも、世の中、そんな簡単に済んでいる現場はないと思います。

 

細かなコツ、考え方、全体的な作業の流れ、業務で関係する社内外の方々との連携方法……

 

教えなければならないことは多く、それを言葉だけで教えるのは無理があります。

 

「効果的な教え方」を知りたい

 

当時の私は強く思いました。

 

あれから30年、気がつけば人材育成の現場に存在している自分がいます。

 

人を教える技術についてちゃんと学問として教えているのは大学の教育学部だけ。

 

教育学部の学生は卒業すると学校の先生になります。

 

一般の会社にはほとんどいません。

ということは、一般の会社内に人を教える技術を体系的に知っている人はほとんどいない、ということです。

 

とても残念ですが。

 

かく言う私も教育学部卒ではありません。

 

だから、本当に経験から得たことが基盤であとから書籍や研修で習得した内容で

体系づけました。

 

ただ、大学の先生にもかなり教えていただきました。

 

だけど、先生方は研究の一環であるので、現場ではなかなか使えない手法である場合も多いのです。

 

手法の一つ一つが結構手間がかかるのです。

 

会社の現場では部下育成に時間がかけられません。

 

理由は2つ。

1)主業務を行うことが会社の目的であること

2)部下育成の専門職がいないこと

 

主業務を行う時間を割いて部下の育成を行わなければならない中小企業の管理職には、部下に対して充分な知識がない上で主業務の合間に育成することをしなければなりません。

 

しかも、早く成果を出さなければなりません。

 

主業務は待ってくれませんから。

 

一刻も早く育成の成果を出して主業務を担っていく人材にならなければ会社は、部署は成り立ちません。

 

ましてや、企業では従業員を採用する際、学力テストなんてしません。

 

偏差値の高い大学のように最初から選別された人だけの集まりではないというのが企業の人材です。

 

バラバラなレベルの人材で一刻も早い成果が求められているというのが人材育成の現場なのです。

 

人材育成や人事考課などの専門的なWebサイトを見ると

「結構偏差値高い大学から採用した従業員しかいない大企業がベースですよね……」

と言いたくなるような記事が多いです。

 

中小企業では高卒・中卒だっています。中途採用者だっています。中途採用者はそれこそいろいろなレベルの方がいます。

 

こんな部下育成の課題をクリアにするにはやはり上司であるあなたが教え方をマスターして、日常の主業務の中で部下育成をしていくのが一番効率的ですし、効果的です。

 

このブログでは部下育成のための5つのポイントをひとつずつご紹介していきます。

 

部下育成のための5つのポイント

 

ポイント1

スキルには種類がある。

現在の業務を完遂させるためのスキルを

明確にしておく必要がある

 

ポイント2

部下のモチベーションの源泉を知り

足りないスキルに気づかせること

 

ポイント3

やらせること。

失敗しても結果は叱っても

プロセスは認めること

 

ポイント4

ワンステップが完了したら

フォローは段階に応じて減らしていく

 

ポイント5

優秀な部下には

経験値を積ませること

 

ぜひ、この機会に部下育成をマスターしてください。

 

ところで、人材育成の形式として3種類あるのをご存知でしょうか。

 

わざわざ言う必要もないくらい当たり前の話です。

 

1)Off-JT

職場から離れた場所(会議室等を含む)で講師から研修を受ける形式です。通常の学校のようなものと思ってください。

 

2)OJT

職場内で上司や先輩が行う研修の形式です。

 

3)自己啓発

自分で勉強することです。

 

ただ、自己啓発をしていると知らないことは知らないままになる可能性が高いです。知識や技能が偏ってしまう傾向にあるのです。

 

仕事のための自己啓発もできれば上司であるあなたがエスコートしてやる方が効率的なのです。

 

このブログをお読みいただいている方々は、中小企業の従業員であり、部下を持つ中間管理職、もしくは、後輩を持つ先輩です。

 

部下や後輩はさまざまな学歴の持ち主です。

 

でも、忘れてはならないのは、彼らは一緒に働く仲間であることなのです。

 

一緒に働いて

一緒に業績を上げていって

一緒に会社に貢献していく

 

そんな仲間であること

 

これが、とても重要なことだと私は考えています。

 

次回は、「できる部下とはどんな人材か」というテーマです。

 

それでは、今日はこの辺で。 

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部下との信頼関係の構築とは

管理職の部下育成トレーナーの安部です。皆さん、部下を育成していますか?

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

今日は、信頼関係の構築についてお話します。

 

「信頼関係」とはどうすれば築くことができるのでしょうか?

 

こんな質問を以前したことがあります。その際、明確な回答をもらえなかった記憶があります。

 

それから、ずっと「信頼関係を築くとはどういうことなのか」ということを考えていました。

部下育成のための信頼関係構築

信頼関係を築くには、まず自分から相手を信頼することだ、と良く書かれています。この相手を信頼することを具体的にどうやれば良いのでしょうか。「信頼しているぞ」という言葉だけで相手に伝わるのでしょうか。

 

似た言葉に「信用」があります。調べてみると「信用」は、保証された「信頼」ということらしいです。

 

例えば、保証人がいるから、保証できるだけの預金があるから、といったことで銀行からお金を借りることができます。これは「信用」。

 

「信頼」は物的保証がなくても信用できる状態。

 

契約書もなく、物的保証もなく、相手を信用することが「信頼」だと知った時、私自身できないような気がして、とても不安になったことがあります。

 

現実の職場で、「俺はお前を信頼している!」といった言葉が飛び交うことは、あまりあり得ません。こんな究極な言葉が出てくるのは、小説や映画の世界です。それ以外であれば、スポーツの世界でしょうか。

 

そう考えて、スポーツの選手とコーチのやり取りを注目してみることにしました。

 

直接、有名なアスリートの方々とは知り合う機会はありませんので、報道のインタビュー場面などを注目してみるくらいでしたが、それでも良く「信頼」という言葉が出てきていました。

 

「コーチが私を信頼して送り出してくれたから、○○できました」

「××の時、コーチの信頼に応えなきゃと感じて、頑張れました」

 

こんな言葉が出てきます。

 

選手は、コーチのどんな言動から信頼されていると感じたのでしょうか。

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その時、思い出したのが、子どもの頃に学校の体育の先生から言われて「お前ならできる」という言葉でした。それまで他の生徒と笑いあっていたのに、私ができないで落ち込んでいるとマジメな表情で、私の目を見て先生は言いました。

 

その時の私の心は、何だかとても落ち着いたことを強烈に覚えています。

 

たぶん、何の根拠もない言葉だったのだと、今になれば思います。私にできることだとは到底思えなかったのです。でも、先生の真剣な表情が心の奥底に刻まれたのは事実です。

 

それから苦手だったことに一生懸命取り組みました。もちろん、選手どころか人並みにすらなりませんでしたが、やることに対して恐怖心や嫌悪感はなくなりました。

 

これが「信頼される」ということなのか。

私は、そう思いました。

 

これを上司と部下の関係にどうやって持ち込むのでしょうか。

 

「お前ならできる」と言ったとしても、部下が失敗して大損してしまったら、責任は上司に降りかかってきます。下手をすれば減給どころか懲戒免職になるかもしれません。

 

部下に安易に「お前ならできる」と言ってしまうと、こんなリスクが発生するかもしれないのです。職場は生活が懸かっていますから、気軽には言えないでしょう。

 

以前、ブログの「部下育成の基本的な3つの考え方」では、

ugrade.hatenablog.com

部下育成のためにはまず信頼関係を築くことから始まる、と私はお話しました。

 

その信頼関係を築く方法はどうすれば良いのでしょうか。

 

信頼できる人の条件は

ここで、私が信頼を置く人の条件を考えてみました。おそらく他の方も大して変わらないのではないかと考えています。

 

  1. 裏切らない
  2. 言動一致
  3. 承認してくれる

 

最初に「裏切らない」こと。

頻繁に裏切るような行動を取る方を信頼することはできません。

 

続いて、「言動一致」です。

 

言っていることと行動が一致している、ということです。これは、具体的に次のようなことです。

 

日ごろから運動することが重要と言っている人が、何も体調が悪くないのに普段から歩かず車を多用し、階段を昇らず、運動を全くせずテレビばかり見ている生活を送っている。

 

やはり、言っていることと行うことが、完全とまでは言わなくても一致していることが必要です。

 

私も講師業として、いろいろ話すことが多いですが、話している内容は実行していることがほとんどです。やはり、そういった内容(きちんと実行している内容)をお話しした方が、受講者にも届きやすいです。

 

最後に「承認してくれる」ということ。

 

この人は私のことを認めてくれている、という思いがあるかどうかです。

 

通りすがりの方から認められることはまずありません。通りすがりの方は、私のことを「人間」として見てくれるとは思います。「ヒト科ヒト属」的な見方ですね。

 

ですが、「一人のひと」「感情を持ち、それなりの歴史を持ち、家族・友人、さまざまな関係者の中で生きている人」としては見てくれることはないです。

 

だからこそ、通りすがりの方をいきなり信頼することはできないのです。

 

部下と信頼関係を構築するには

私は、自分が信頼する人の条件について考えてみました。その条件を相手との信頼関係を築くために利用するのです。

 

今、上げた3つの条件を、部下から見た自分に当てはまるようにするわけです。

 

まず、部下を裏切らないこと。続いて、部下に言うことは自分も行うこと。そして、部下を「一人の生きているひと」として認めること。

 

部下を信頼する、ということは、こういうことだと思います。

 

特に最後の「認める」ということは重要だと考えています。

 

上司がどんなに部下を信頼していると心の中で思っていたとしても、それが部下に伝わっていなければ、部下は信頼されているとは思えません。「認める」には、部下へ上司の想いを伝える役割があります。

 

そして、信頼関係を構築するのに欠かせないベースとなるものがあります。

 

それは、お互いが良く知っている関係性がベースになるということです。

 

全く見ず知らずの方を信頼するには、かなりの勇気が必要です。

 

よく知っている相手であれば、行動のクセなども把握できるので、より信頼関係を築きやすいのです。

 

ですが、上司と部下の間が良く知っている関係性ができているかどうか。ここが重要だと考えています。

 

例えば。

身近にいる部下と少し離れた場所にいる部下。

 

空間の距離が遠ければ遠いほど、信頼関係を構築することが難しくなることは経験上感じていらっしゃるはずです。だからこそ、遠い部下には上司から会いに行くことが重要だと思っています。

 

接触頻度が高ければ高いほど、信頼関係が築きやすいのです。

 

接触頻度を高めて、お互いに良く知っている関係性ができて、そこで部下は上司が「裏切らない」「言動一致している」「自分(部下)を認めてくれている」と判断することができ、信頼してくれるのです。

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何だか大変そうだなぁ、と思われる方もいらっしゃると思います。

 

私も、部下を知るためにコミュニケーションを取らなきゃ、と考え、いろいろ話をしたり聞いたりした覚えがあります。でも、仕事に直結した内容ではなく、どちらかというと世間話に近かったので、なかなか部下との距離を縮めることができませんでした。

 

世間話では意味がないのです。良く知っている関係性を作るためのコミュニケーションは仕事のことを深く話す、ということが重要なのです。

 

部下の仕事に対する考え方・捉え方を知ることで、信頼関係を構築する第一歩が踏み出すのです。

 

すばやく信頼関係を構築するには

一瞬で相手との信頼関係を構築できる方がいらっしゃいます。そのような方を観察すると、相手をまず信頼するのです。挨拶をして名刺交換し、少し話をすると、もう相手を信頼している様子なのです。

 

信頼されれば相手も信頼を返してくれます。

 

観察しながら、私は、昔豊臣秀吉が「人たらし」と言われていた手法がこれかなぁ、と思うことがあります。

 

全く見ず知らずの方をいきなり信頼するのはハードルが高いです。

 

ですが、いつも一緒に仕事をする部下であれば、同じ会社に勤めているという共通点があります。性格も何となく把握できています。部下だって下手をすれば懲戒処分されることも十分承知しているので、基本的には社会的ルールに従っています。

 

そうやって考えれば部下を信頼することはとてもハードルが低いことなのです。

 

体育会系の方々であれば、当然のことをお話しているかもしれません。でも、体育会系ではない私からすれば、なかなか「信頼関係の構築」というのはハードルが高いものだったのです。

 

それだけに、いろいろな方の言動を観察し、知識を得、考えてきました。

 

昔の体育の先生には申し訳ないのです。せっかく「信頼」ということを教えていただいたのでしょうけれど、理解できたのは30数年経ってからでした。ごめんなさい(笑)

 

今回は部下との信頼関係の構築をテーマにお話ししました。当たり前のことだったと思います。ただ、肌感覚で何となくわかってはいたものの、こうやって言語化することではっきりと理解ができることもあります。

 

部下を育成することも同様だと思います。実は、何となく……という感覚だけでやっていたことを言語化することも重要なのです。

 

※技術の中には言語化できないこともありますけれど。

 

それでは今日はこの辺で。

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部下育成の基本的な3つの考え方

管理職の部下育成トレーナーの安部です。皆さん、部下を育成していますか?

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

本日は、「部下育成の基本的な3つの考え方」についてお話します。

 

人材育成は、基本的にとても時間がかかるものです。ここは、最初から頭に入れておく必要があります。ただ、教え方のコツをつかめば、意外と早く育成できます。このコツについては、おいおいこのブログでご紹介していきます。

 

そのために、大事な考え方があります。

 

 

1.部下と信頼関係を築くこと

 

当たり前かもしれませんが、まずは信頼関係を築くことが大事です。

 

実は人には、話を聞く相手と聞かない相手がいます。

 

例えば。

 

「あの部長の話、長いだけで少しもわからないからなぁー」といった言葉を聞いたことがありませんか?

 

部長の話は本当にわかりにくいのかもしれませんが、それでもちゃんと日本語で話しているはずです。全くわからないはずはないのです。

 

こういった言葉を言う時、心の中で、「部長の話は聞く必要がない」と思っていることが多いのです。だから、わかる話であっても「わからない」ということです。

 

よく学校で、好きな先生の科目はできるけど、嫌いな先生の科目は苦手である、ということがありますが、これと同じです。

 

相手の話を聞くべきか、聞いてもムダなのか。これは聞き手側が判断します。

 

もちろん、会社でお給料をもらっているサラリーマンですから、聞いているフリはします。相づちを打ってはいますが、それはかなり適当です。でも、大人なのでフリが上手です。傍目には、「聞いている」と勘違いさせるほどです。

 

部下を育成しようと考えても、相手が聞く耳を持っていなければ、何を言ってもムダです。大人ですから、聞いているフリはしていますが、本当に理解まで、腑に落ちているのかまではわかりません。

 

部下が「あなたの話を聞きたい」と思えるようにする必要があるのです。それには、信頼関係が必要ということなのです。

 

育成するにもまずは信頼関係から築かないと、話すら聞いてもらえないのです。あなたがいくら良いことを言っても、部下の心には届かないのです。

 

2.最終的に到達して欲しいゴールを部下に明確に提示すること

 

続いては、ゴールを明確に提示することです。

 

これは何となくされている方も多いのではないかと思います。いつも部下に「ちゃんとできる人材になれ」とか「数字を理解してから行動しろ」と言っているから。

 

それでは、質問です。

 

「ちゃんとできる人材」とは具体的にどんな人材ですか?

「数字を理解してから行動する」とは、何の数字を理解し、具体的にどのような行動を指すのでしょうか?

 

つまり、ゴールを示してはいるものの、そのゴールが明確ではない、ということなのです。必要なのは「ゴールを明確に」提示すること。

 

あなたが思う優秀な部下とは、どんな部下ですか?

 

優秀な部下と思われる人材はどのようなことを考え、具体的にどのように行動するのでしょうか?

 

それをあなたの頭の中だけではなく、ちゃんと書き出していますか?

 

考えただけではイメージでしかありません。それを、紙に書き出す必要があります。もちろん、パソコンのワープロソフトに書き出しても構いません。要は客観的に誰でもが見える状態にすることです。

 

客観的に見える化するには3つの理由があります。

1)上司であるあなた自身が確認するため

2)部下にあなたの考えを伝えるため

3)今後、同じ仕事をする部下の更なる部下のため

 

1)上司であるあなた自身が確認するため

頭の中のイメージだけの場合、その時の考え方で微妙に変化します。例えば、他の部下が失敗した直後、「こんな失敗をしないように、○○もできるようにしたい」と追加のゴールが突然出現することがあります。

 

頭の中でも言葉になっているから、追加はない、と思っていらっしゃるかもしれません。ですが、その言葉も抽象度が高い言葉であれば、解釈の仕方で変化してしまうのです。

 

ゴールが変化してしまっては、部下は何を目指すべきか、全くわかりません。

 

2)部下にあなたの考えを伝えるため

部下にゴールを伝えるには、イメージではダメです。きちんと伝えるためには、言語化して見える化する必要があります。

 

部下にゴールなんて伝えなくても、上司が思っていれば良いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、到達すべきゴールが見えないと、部下は、自らをどう成長させれば良いのか、何が足りないのか、具体的な策は全く思い浮かびません。

 

また、部下が良かれと思ってやったことも上司から「ダメ」「まだまだ成長しろ」と言われることが頻発すれば、モチベーションも下がってしまいます。

 

例えば。

サッカーのシュートの練習をしている選手がいます。何度も何度も試行錯誤して上達していきます。試合でもシュートを決めることができました。ですが、コーチが「まだまだだな」と言ったらどうでしょうか。

 

選手はゴールを決めたのに何が悪かったのかがさっぱりわかりません。具体的に示さなければ選手のモチベーションは下がります。

 

コーチは、シュートでの足の角度や体の動き、必要な筋肉などの具体的なところまで伝えることで、初めて選手は理想的なシュートを理解するのです。

 

そんな面倒な……と思われるかもしれません。

 

確かに昔は「俺の背中を見て覚えろ」と言われてきた方も多いでしょう。

 

でも、「俺の背中を見て覚えろ」と言われて通用してきた時代では今はないのです。

 

仕事内容が異なってきています。その時代と同じ仕事をしている方は少ないでしょう。最近は知識労働者(ナレッジワーカー)であることが求められています。マニュアルを見れば誰でもできる仕事は、今後コンピュータにとって代わられるでしょう。

 

例えば、パソコンに向かって作業をしている人の背中を見ても何もわかりません。パソコンで企画書を作れ、と言われても、企画書を作ったことがない方には、どんなことを書けば良いのかすらわからないでしょう。

 

伝統的な技術で、何かモノを作っているのであれば、今どんな作業をしており、真似して作ってみることができます。師匠が作った作品を手に触れてみることもできます。自分の作品と並べて比較することもできます。

 

企画書は並べて比較することはできません。印刷後の紙は触れることはできますが、何が良いのか、何が悪いのかは、すぐに判別できません。

 

また、長年の修行が必要です。

 

現在の職場では、長年の修行を求められたら部下は退職してしまいます。また、変化の多い現代社会では長年の修行が完成するまで待ってくれません。だからこそ、今の時代にあわせるためにも、ゴールを明確にして見える化する必要があるのです。

 

3)今後、同じ仕事をする部下の更なる部下のため

そして、明確になり見える化されたゴールは、次の部下へ引き継がれていることになります。一度作れば、あとは時代にあわせて修正されながら引き継がれていくのです。

 

一度作ってしまえば終わりではないのですが、やはり「ある」のと「ない」のとでは全く違います。

 

また、人材育成のゴールは、部下や仕事内容、下手をすると顧客によって変化します。どんどん修正しながら提示され続けていくものなのです。

 

3.頑張った部下を承認すること

部下育成の基本的な考え方の最後は、頑張った部下を「承認」することです。

 

私は、「ほめる」とは違うと考えています。ほめるには、うまくできたという概念が必要です。でも、結果的に失敗した場合も現実では多くあるでしょう。その際にはほめるが使えない場合があります。

 

だからこそ、「承認」なのです。

 

努力、つまり、プロセスを承認するのです。

 

そして、承認した後は、きちんと失敗した原因を明確にし、その対策を部下と一緒に話します。

 

部下だって、よほどの新人でない限り、失敗したことくらいわかっています。失敗したことを責め立てても辛いだけです。それよりも、もっと建設的に何が原因だったのか、早急な手当は何があるのか、といったことを話して行動した方が良いのです。

 

ここまでは部下の基本的な3つの考え方です。

 

そして、最後に知っておいて欲しいことが2つあります。

 

1つは、部下育成に限らず人材育成は、PDCAを回していくプロジェクトであることです。

 

「ゴールを明確にして提示する」はPDCAのPにあたります。そして、「部下を承認する」はCにあたるのです。そして、失敗した後の対策を考えるのがAなのです。

 

人材育成はPDCAで回していくことでうまく行くのです。

 

それは、同じゴールでも、Aという部下は難なくクリアしたのに、Bという部下は何か月経ってもクリアできない、ということが起こり得ます。だからこそ、Bのために改めて難易度を下げたゴールを設定しPDCAサイクルを回す必要があります。

 

実は部下ひとりひとり異なるPDCAを回す必要があるのです。

 

2つ目は、人材育成は課題解決であることです。ゴールを設定し、現状(部下の状態)を分析して、対策を講じる、という手法はまさしく課題解決です。

 

しかも、同じゴールであっても部下ひとりひとり異なる現状であるから、ひとりひとりの対策も異なってきます。

 

人材育成が難しい、と言われるのも、このあたりが原因です。

 

でも、人材育成、部下育成は行わなければなりません。

 

何度も言うようですが、部下育成を行わないと、上司であるあなたの仕事は減りません。業績も上がりません。会社の売上も上がらないので、給料も上がりません。部下育成は部下のためだけでなく、会社のためでもあり、あなた自身のためでもあるのです。

 

今日は、部下育成の基本的な3つの考え方というテーマでお話してきました。

それでは、今日はこの辺で。

研修設計の考え方

管理職の部下育成トレーナーの安部です。皆さん、部下を育成していますか?

 

部下を育成して、強い会社を創造しましょう!

 

本日は、「研修設計」の考え方についてお話します。

設計といえば建物を建築する際に使われるものを良く耳にされると思います。他に、製品設計もあります。良くCADで図面作成される分野では、「設計」してから製作にかかるというのが通常です。

 

私はもともとソフトウェア開発の企業に勤務していたので、「設計」というとソフトウェア設計がすぐに頭に浮かびます。

 

建築物や製品と異なり、ソフトウェアは直接目に見えるものではありません。だからこそ設計がとても重要視されてきました。

 

その設計を研修の中でも取り入れる必要がある、と考え始めたのは、10年くらい前からです。その頃知った言葉で「インストラクショナルデザイン(略してID)」があります。まさしく「教えることの設計」です。

 

私が衝撃を受けたのが、「カークパトリックの4段階評価モデル」でした。

 

カークパトリックの4段階評価モデル

アメリカの経営学者であるカークパトリック博士が1959年に提案した評価モデルです。

 

研修を受けた後、皆さんはどのように感じますか? 変化はありますか?

 

それまでの私は研修をしたとしても1回限りの研修を数時間受けただけでは何も変わらないと感じていました。研修を仕事としているのにです。だからこそ、人は研修に対して大きな期待を持たずにいるのです。

 

その当時、私の営業先でも「とりあえず研修をしなければ……」という感じで、研修を行うことが義務であり、その先の受講者の「変化」は期待していない、という感触でした。

 

これって、やるだけの意味はあるのかなぁ。

 

と、私のモチベーションが底をついた頃に出会った評価モデルです。

 

評価モデルは、レベルが4段階に分かれています。

 

  • レベル1:Reaction(反応)
  • レベル2:Learning(学習)
  • レベル3:Behavior(態度・行動)
  • レベル4:Result(結果)

 

研修を受けた後、何らかの事がらが心に残ります。「良かった」とか「満足」とかいった言葉で表現できるものです。

 

中には「不満足」といったものもあるでしょう(苦笑)。

 

それが、「レベル1の反応」です。

 

ここまでで研修が終わってしまえば、1年後には「なんか研修を受けたような気がする」というレベルになります(笑)。人間は忘却します。忘れなければ生きていけないといわれているので、研修を受けたことは覚えていても研修の内容は全く忘れてしまうのです。

 

社会人になってからは全く縁遠くなってしまったと思いますが、学生時代の一番憂鬱だった学期末テスト。このレベル2の段階にあるかどうかを試すためのモノです。「レベル2の学習」です。

 

研修を受けて、知識がちゃんと身についているかの受講後テストでレベル2であることを証明するのです。

 

そして、「レベル3の態度・行動」です。

 

研修を受けて、「なんか、あの人、変わったよね」と言われるようになったレベルです。このあたりから研修の効果が感じられるようになります。

 

最後の「レベル4の結果」は、研修を受けたことによって、業績がアップする、売上向上する、コストが削減される、残業時間が減る、といった効果が出てくることです。

 

研修を依頼される経営者の方は、レベル4を期待します。

 

でも、今までの研修では、せめていってもレベル2どまり。だからこそ、「研修に期待しない」という雰囲気が醸成されるのです。

 

私はレベル4を見て衝撃を受けたのです。私がそれまで漠然と考えていた「本当の意味での研修」がそこにあったからです。

 

人材育成を行う上での研修は、経営指標に深く関与すべきであり、それができる研修を行うことこそ「本当の意味での研修」である、と私は深く感じました。

 

研修設計での4段階評価モデル

研修を行うのであれば当然レベル4を目指すことが必要だと考えています。

 

ところが、このレベル4の結果、いろいろなサイトや書籍で非常に難しく記述されています。つまり、研修の結果として「ROI(投資利益率)」があがることなのです。

 

うーん、でかい。

 

衝撃を受けて、「これだ!」と思ったのもつかの間、ゴールが果てしなく遠く感じられたのです。

 

例えば。

 

研修を受けて3カ月後に売り上げがアップしたとします。

 

でも、それは、たまたま外的要因(経済情勢や何らかのイベントの実施など)があったため売り上げがアップしたとしたら、研修の効果はどれくらいだったのでしょうか?

 

明確にはわかりませんよね。

 

売り上げ金額を「レベル4:結果」にすると、こんなことが起こります。

 

あいまいな設計を行うと、このような結果が導き出され、「やっぱり研修は意味ないよね」ということになります。

 

ここで言う結果は「売上高」といったものではなく、もう少し本質的で数値化できるものを当てはめる必要があります。

 

例えば。

 

衣料販売店の店長が店員に対して何らかの研修を行うとします。店員のコミュニケーションが足りてない、とか、おもてなしができていない、というきっかけで研修を思いついたとしましょう。

 

ここで、研修を行う前に以下の数値をいくつかピックアップするのです。

 

  • 顧客満足度を数値化する(アンケートなどを利用)
  • 顧客単価(一回に顧客が購入する金額)
  • 顧客滞在時間
  • 顧客再来訪間隔(ポイントカードなどからデータを取得)

 

この中から店長は、自分の経営方針から数値を拾い出し、事前データと研修後に再調査したデータを比較するのです。

 

これが「レベル4の結果」ということなのです。

 

※学術的にはこれらの数値をレベル4にするのかレベル3+αにするのか、議論されているようですが、私は企業の現場はシンプルが良いと考えて、こうしました。

 

このように数値を目標とすると、おのずとゴールが見えてきます。研修完了後のゴールです。

 

このゴールが、「レベル3の態度・行動」です。

 

例えば、目標が「顧客満足度」であるならば、店員の態度や行動が変化しなければ達成しません。変化するようにするにはどうすれば良いのか、ということを考えるのです。

 

研修設計の3つのステップ

前項でお話した目標やゴールは、研修設計の3つのステップの最初のステップです。

 

研修を行う際、必ず目指す目標やゴールを設定する必要があります。これが抜けていると研修を行っても本当に効果があったのかがわかりません。費用対効果を考える時に、必ず必要なステップなのです。

 

また、目標やゴールがないと、どのような研修を行えば良いのかの判断もできません。

 

顧客満足度を上げたいと思って「マナー研修」を行ったとしても、顧客は元来その店の単価が高くて不満に思っていた・・・ということでは、研修の意味がないのです。

 

単価が高いのを不満に思わないような店員による「おもてなし」ができるようにならなければいけないのです。

 

その違いを把握しておく必要があります。

 

そして、次のステップ、現状を分析することです。

 

店員が3名いて、そのうち1名はベテラン店員であり、非常になじみの客が多い方がいるとします。他の店員がそのベテラン店員のようにさせたい、と店長は考えました。

 

そこで、ベテラン店員の行動パターンを分析する必要があります。

 

例えば、ベテラン店員の役職がついていたり、社歴が長かったりする場合、その店員を講師として、他の店員を指導させることができます。

 

他の店員とそう変わらない場合、一人だけ研修を受けさせないというのは不公平感などを募らせることになり、そのベテラン店員の退職につながる可能性もあるのです。

 

ベテラン店員の性格を踏まえることが、このステップでの重要課題です。

 

最後のステップが、研修そのものをどのような形式で行うか、ということを決めていくことです。

 

研修は以下の3種類があります。

  1. Off-JT
  2. OJT
  3. 自己研鑽

 

Off-JTとは、学校をイメージしていただけると良いです。

 

通常の職場とは異なる環境で、通常一緒に働くメンバーや他の部署で働くメンバー、時によっては他の会社のメンバーなどが一同に会して同じ内容を学習するという形式です。

 

この場合、講師が社内や社外から選択されて、話をします。

 

続いてのOJTは、通常の職場で上司や先輩が講師となって、実際の仕事をしながら教えていく形式です。

 

日本の普通の企業ではこの形式が一番多くなっています。昔ながらの徒弟制度もこの形式の変形です。そのために、馴染みがあるからだと思います。

 

最後の自己研鑽は、読んで字のごとく、自分で学ぶ、「自学」です。

 

実際、書店に行くと、「自己啓発」というコーナーがあり、そこには種々様々な本が並んでいます。通常は、本や専門サイトを読んで、学習する形式が多いです。その他にも通信教育を受ける、といった形式もあります。

 

最近の通信教育は、昔と違い、インターネットを使った動画配信などもあり、本の文字を拾いながら学習するより視覚効果があるものが増えています。また、郵送などの費用もかからないため、非常に安価で提供されているものもあります。

 

これら形式のどれを選択するのか、いつ、どこで実施するのか、などを考えるステップです。

 

ゴールを決め、現状を分析し、対策を実施する。

 

つまり、この3つのステップは、課題解決の手法を取り入れています。

 

ただ、人材育成は課題解決の手法だけでは難しい部分があります。それは、「人間」が相手であることです。

 

上司となり、部下の育成に携わったことがある方は、肌感覚で感じていらっしゃると思いますが、部下一人ひとり、個性があり、できること・できないことが異なり、感じ方・受け取り方も異なってきます。

 

課題解決のように単純ではない、というのが人材育成の難しさです。

 

そこで、研修設計という手法を取り入れて欲しいと考えているのです。

 

研修設計というと、CADによって描かれたパース図のようなイメージを持たれる方も多いと思います。人材育成の設計書は、それよりも医師が書くカルテのようなものだと思っていただいた方が良いと思います。

 

先ほど申し上げたように、一人ひとり、習得しなければならない知識・スキルが異なります。なので、一人ひとりの現状に合わせたカルテを作成するのです。

 

部下の多い方は、カルテを作成するだけでも大変でしょう。ですが、このカルテは大変な効果を発揮します。

 

一つ一つのカルテに、その方の目標・ゴール、現状を記述します。

 

ここで、目標・ゴールが大変高いものであれば、それを細分化した目標も記載します。そうしないと、当人のモチベーションが維持できません。

 

先ほどの例で話せば、ベテラン店員になるという目標を立てても、新入の店員にはハードルが高く、研修当初から「到底なれそうにない」と感じてしまいます。最初から諦めてしまうのです。

 

そこに「挑戦しろ」といくらけしかけても、白けるだけで、モチベーションが上がることはありません。

 

将来的にベテラン店員になるという目標を立てても、まずは気持ちのいい笑顔ができるようになる、といった本人が少し背伸びすれば届く目標を提案する必要があります。

 

これらをカルテで管理するのです。

 

複数人の部下がいる管理職であれば、こういったカルテがないと誰がどうだったのか、ということがわからなくなります。

 

また、カルテには記録が残されるので、変化が数カ月にわたって現れるような人材育成では大変役立ちます。「徐々に」変化する部下を毎日見ていては、はっきりとした変化を管理職が感じ取れません。

 

ですが、カルテに記載されていれば、はっきりと変化を感じ取ることができます。部下の成長を感じ取ることができるのです。

 

研修設計の考え方

研修設計を行うことは、管理職にとってとても重要な仕事だと私は考えています。ですが、「このブログについて」というエントリでお話させていただいたように、ほとんどの方が教え方をきちんと学ぶことなく社会人になっています。

 

そして、社会人になってから、人に教える=人材育成に否応なく携わることになるのです。

 

そして、教え方を知らなくても、コツさえつかめば教えられるようになる一番基礎の考え方が、この研修設計なのです。

 

まずは、部下一人ひとりのカルテを作成することから始めてください。

 

部下の目標・ゴールを設定する時は、ぜひ部下と一緒に考えてください。

 

それらの具体的なやり方は、本ブログでお話していく予定です。

 

ぜひ、皆様のより良い部下育成のために、本ブログを役立てていただければ、と考えております。

 

このブログの内容をコンパクトにまとめたメールセミナーも開催しております。7日間にわたって合計30,000字ものメールが毎日届きます。内容は部下育成の5つのコツです。

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このブログは基本的に週1回の更新です。木曜日前後に更新します。

 

それでは今日はこの辺で。

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